マジかよ

時々感想

ユーリ感想

ユーリ‼︎! on ICEを今更ながら観ました。これ絶対私観ないやつだなって思ってたけど観ました。ユリオのこと途中まで、ユーリオンアイスの略だと思ってましたが観ました。単純にお友達にオススメしていただいたからです。



フィギュアスケートについてはルール全然わかりませんが男子も女子も割と観ます。ルールがわからないせいであのジャンプが…とかコンビネーションが…とか言えないので、ただ単に綺麗だったね、美しいねって感想が持てるので他のスポーツと比べて心が穏やかになる…という印象をフィギュアスケートには持ちつつ見始めました。全部私の主観です。





本編の感想ここからで申し訳ないです。



いきなりグランプリファイナルから始まって超驚きました。普段さえないフィギュアスケーター・勝生勇利と聞いてたんで、順位もさえないかと思ったら、違った〜。もっと下級の主人公がのし上がるかと思ったら、高橋大輔やら羽生結弦レベルにいる人の話でした。

マジか〜〜〜すげー。


ですので、勇利は、グランプリファイナルとその後の全日本選手権(だったかな?)の順位は良くなかったけど、トップクラスのアスリートだったんですね。


だから、ヴィクトルも言ってましたけど、自分に自信がなくても、弱いわけじゃない。トップアスリートだし、年齢も23歳と、それなりなので、練習が嫌とか、これが君の武器だ!みたいな決定的ななにかがあるスポーツ漫画王道の展開じゃなくて、心≒愛が話の中心な気がしました。

(当たり前に練習は積んでること前提で。)



その点、もう1人のユーリのほうが、少年漫画的・スポーツ漫画的ですよね。ヴィクトルという絶対的な目標がいて、同世代に敵がいない状況から、日本に来て刺激を受けて、足りないものを新たなコーチに教わるっていう。構図がわかりやすいです。



それから、勇利がヴィクトルに憧れてることに加えて、解釈厨(愛についてエロスのとき)だったのが、オタクなのですごくシンパシー感じました。わかる〜。しかも色男解釈しといて、女側の表現をするとは…。客(ヴィクトル含め)側を誘う演技をされて、引き込まれないわけがないよな…って思いました。




ヴィクトルについては、も〜〜〜全然掴めませんでした。一回しか観てないからかな…すごく難しい…。


勇利とヴィクトルはお互いにお互いの存在が世界を鮮やかにするんだなってことはわかりました。ヤポンスキーとロシアンなんで異文化交流なのは当たり前なんですが、選手としての心構えもまた異文化交流でしたからね。

そうじゃないと、勇利が変わらないっていうのはわかるんですが、そもそもヴィクトルはコーチに向いてるタイプじゃないと思うんで、それを見越してやってないのが…。師弟(?)ってなるポイントでした。

だからメディアに師弟愛が〜って書いてあると、それはちょっと違う気がするな…ってなります。絆ほど安っぽくもない関係だと思いました。勇利が「繋ぎ止めたい」って言ってたのがすべてです。繋ぎ止めるって、うわ〜脆い…危うい…けど強い…重い…。


愛をテーマにしてあるだけあって、その関係は愛なんだと思いますけど、恋愛でもないように見えました。(私がBL読まないので、そんな考えがないだけだとも思います。)いや、指輪あげてたけど。2人がリンクを離れる時に、その答えは出るんじゃないですかね。リンクにいる間は、ただ漠然と愛。うわ哲学。これ以上考えるのやめます。





他の選手も魅力的というか、みんな応援したくなりました。中四国九州大会の南くんが当たり前にかわいいんですけどね。ええ。キャラ的にはピチットくんが一番好きです。選手的には後述します。前評判で、トニセン出てんぞ!?(ギオルギー:坂本、レオ:井ノ原、グァンホン:長野)って聞いてたんですけど、ビジュアルはトニセンでしたね。あの裸ジャケット時代くらいの。


色んな選手がいて、それぞれに背景があるけど、あんまり焦りとかマイナスなこと思わずにみんなのびのび滑ってるイメージでした。彼らもまたトップレベルアスリートですからね。


若いけど…!


若いけど、部活が舞台の話なんかじゃなく、世界レベルの話なので、性格だけじゃなく、誇りや表現したいものが前面に出ていて、レベルの高い人の話だ…とふいに思い出しました。勇利も当初はガチガチなこともあったけど、割とリンクに立ったらもう大丈夫って感じで、それぞれの矜持が垣間見れて、世界の頂点に立とうとしてる人ばかりなので、生き様がとにかく尊敬でした。



試合見るのめちゃくちゃ楽しかったです。ドキドキしたし。CGで動いたりしたらやだなあって思ってましたが、ちゃんと描いてくださって、見やすく、美しく、眼福です。

忍たま乱太郎という10分アニメに慣れすぎて、長時間アニメ見てると途中疲れるんですけど、試合シーンはほぼ中継(?)なんで、華があって退屈になりませんでした。実況解説のおかげで、なんかこの世界と地続きな気もしてきました。

ショートもフリーも同じ演技を見るというのに、何回でもドキドキしますからね。書き直してるかはちょっとわからないですが。


まあ後はJJですよね。一番イロモノキャラ的なの出てきた〜宮野だ〜と思ったら、実力も十分。どうやってこいつに勝つんだよ。と思っていたら、彼もまた人間でした。


『グランプリファイナルの魔物に取り憑かれた』

って表現されてましたけど、グランプリファイナルの空気がオタベックの滑りをよぎらせたのか、オタベックの滑りがグランプリファイナルという空気を意識させたのかといったら、私は後者が好きです。人間だもの。リッキーも好きでした。リッキーのフリーの演技、上位で心にグッときました。


現実世界のスポーツ中継で、『知られざる苦労があった…!』とか『母への誓いを胸に…!』とかいうコーナーがあるとメディアに誘導されてるみたいでクソ萎えるんですけど、選手の本やら後日新聞インタビューなんかで知ると、おお…ってなる感情に似てます。

美談にしたら点が上がるわけじゃないけど、その経験が演技に繋がるのはよくわかりました。その人しか知り得ないですからね。

話全然違いますけど、ドラフト会議舞台裏がこの世で一番嫌いなテレビ番組です。



全12話観て、ユリオが一番好きな選手です。4話(たぶん)で、ユリオが言ってた「俺がこの容姿でいれる期間は短い。」みたいなセリフが印象に残ってます。同話で勇利が「僕らの競技人生は短い」って話もするんですが、それよりユリオがあの見た目でいれる期間はもっと短い。

自分が一番輝ける時期を15歳にして悟ってるの勿体無いなと思う一方で、あの見た目に演技がついてくることが彼の作品の一次目標なんでしょうね(現時点では先は考えてなさそう)。

グランプリファイナルのフリー圧巻でしたから…勇利滑り終わっちゃったし、どうなるんだろ…とおもったら、続く物語を(©︎幸村精市)彼が力づくで、引き寄せてくれました。


15歳なんで、じいちゃん以外の、ヴィクトル、勇利、ヤコフ、リリア、ゆうちゃんと、誰にしても、なんだか上手になれない印象を持ちましたが、その演技で糸を引っ張ってくれて、改めて力強くなったな…と感じました。オタベックが友達になってくれてよかった。オタベックなんて、自分の演技も、もちろんやりきったと思いますけど、もはやユリオに語りかける演技ですもんね。

勇利に対する南くんや、ヴィクトルに対するクリスとか憧れの連鎖も見てて今までのスポーツの作品にないもの、芸術の部分が大きい競技ならではなのかな〜と思いました。




おもしろかったです。舞台とか表現が好きな人には合うと思います。最初に書きましたが、のし上がる話ではないし、心温まる話ともちょっと違います。美しいものが見たいと思った時にまた観たいと思いました。